静止気象衛星ひまわり8号が打ち上げられた.搭載されたセンサAHIは観測波長帯数ならびに観測頻度が向上し,特に日本付近等の特定領域は2.5分毎に観測が可能となった.観測頻度が向上したことにより, 都市の日変化を捉えることが可能となったが,都市の熱環境を把握する上では,熱赤外データの一部の領域が雲の発生や移動により受けた影響を取り除く必要がある.そこで本研究では,ひまわり8号熱赤外データから求めた地表面温度に対し,さらに雲域の影響を軽減する手法として,雲の影響のない前後のデータから高次多項式によるデータの補正手法について検討し,その有効性について検証を行った.
平成23年に発生した東日本大震災の津波被害によって生じたガレキ等の一次集積場からの悪臭については,臭気強度を用いて5回にわたりガレキ等が処理される時期まで現地調査を行った.また,被災した下水浄化センターからの悪臭についても臭気強度を用いて,放流水が正常に近づくまで3回にわたり調査を行った.本調査によって震災時の悪臭の実態,あわせて復旧が進む途中の悪臭の実態を把握することができ,震災の復旧が進むにつれて悪臭が減少することを確認できた.さらに,地方公共団体に悪臭の実態をアンケート調査してみると,地方公共団体の平成23年度,平成24年度の環境白書には東日本大震災に関する悪臭苦情がほとんど反映されていないことも明らかとなった.