抄録
わが国においては1980年代より,病院機能の高度化に伴い,病院業務の専門化,独立化が進み,各部署から発生する複雑多様化したデータ処理を高速に行うために,オーダリングシステムによる病院情報システムの開発,導入が積極的に行われるようになった。本論文においては,鹿児島大学総合病院情報システム(THINK)開発とその過程が,病院のリエンジニアに有効であったかどうかについて分析と評価を行う。また,次なる発展として,病院業務のほぼすべてをシステム化したTHINKのデータを利用して,診療支援や病院経営管理の高度な支援を実現する病院データウェアハウスの開発が可能であることを示した。